概要
NMRは、タンパク質などの生体分子の立体構造に加え、原子レベルの動きや構造変化についても豊富な情報を与えます。しかし、NMRから得られる数値やスペクトルだけでは、分子が実際にどのように動いているのかを直感的に理解することが難しい場合があります。
本講習会では、NMRで得られる立体構造や分子動態の情報を、分子動力学(Molecular Dynamics:MD)シミュレーションによって検証・可視化し、分子の動きに対する理解を深めることを目指します。NMRとMDを相補的に活用することで、実験で観測された構造揺らぎや構造変化が、どのような分子運動に由来するのかを具体的に捉えることが期待できます。
講習会では、MDシミュレーションの基礎講義に加え、Google Colab上でOpenMMを動かすハンズオン実習を行います。計算のセットアップから実行、結果の可視化と解釈までの一連の流れを体験するとともに、より高度な計算が可能な“GENESIS”の紹介も行います。また、NMRとMDを組み合わせたタンパク質研究の応用事例についても紹介します。
MDをこれから始めたい方、NMRで得られた構造・動態情報をより深く理解したい方、実験結果を分子の「動き」として見える化したい方を対象とした実践的な講習会です。
プログラム
2026年8月18日(火), 19日(水)
8月18日(火)
13:00~13:05 開会のあいさつ:北條裕信先生(阪大・蛋白研)
13:05~13:15 今回の趣旨説明:宮ノ入洋平 (阪大・蛋白研)
13:15~14:15 基礎講義①:「実験では見えないダイナミクスを可視化する:MDシミュレーション基礎」李秀栄先生 (医薬基盤健栄研)
14:15~14:35 休憩
14:35~16:35 Hands-on実習:「Google colabでOpenMMを動かそう」
李秀栄先生 (医薬基盤健栄研)
16:35~16:55 休憩
16:55~17:35 講演1:「ウエットとドライの融合に基づくscFvの物性改善」
小橋川敬博先生 (熊本大・院・生命科学)
18:00 - 懇親会
8月19日(水)
9:00~11:00 「実習結果解釈と振り返り」:李秀栄先生 (医薬基盤健栄研)
基礎講義②:「MDシミュレーションを実践で活用する:GENESISの紹介とデモ」:信夫愛先生(阪大・PRIMe)
11:00~11:10 休憩
11:10~11:50 講演2:「MD計算とNMRで捉える抗体医薬Fab領域の動的構造の変化」
林成一郎先生 (分子研)
11:50~12:00 閉会の挨拶:齋尾智英先生 (徳島大・先端酵素)
主催
共催
日本生物物理学会次世代NMRワーキンググループ
























